大卒のくせにと皮肉を言われた、青年たちの目はすでににごっていて、せっかくもらった仕事も、長続きせず、すぐにやめてしまう。
わたし本当は目撃したんです。昨日電車の駅、階段で、車椅子で担がれた老人が、タクシーに乗ろうとすっと立ち上がったのを。
わたし驚いてしまって、非難もせず、叫びもしなかった。
ただこわくて逃げました。弱者の敵は弱者です。
ニート、戦わない君の歌を、戦う人たちが笑うだろう。
ニート、生ぬるい風の中を、震えもせず下っていく。
レトルト食品が一番うまいんだと、青年たちは閉じこもっていく。
化学調味料の味に慣れると、おふくろの味は飽き足りない。
いっそ手作りなんてやめてくれたら、もっと楽に生きられるかもしれない。
中途半端に太って、飢餓はなく、どちらかというと満腹なのだ。
勝つか負けるかなんて、くだらない、摩擦を避けるのが第一だと、
そう教えてくれたのはだれだったか、でもそれは正しいと思う
ニート、戦わない君の歌を、戦う人たちが笑うだろう。
ニート、生ぬるい風の中を、震えもせず下っていく。
田舎を出てきたおやじが建てた立派な家に、住みついて何が悪い
旅に出てはどうかなんてやさしくしてくれるが、そうはいってもそれは無理な相談だ。
うっかり、何かみつけたりすれば、やっぱり頑張らなくてはなんて勘違いをする
あんた代わりに行ってきてくれよ、人里離れた、田舎町に
ニート、戦わない君の歌を、戦う人たちが笑うだろう。
ニート、生ぬるい風の中を、震えもせず下っていく。
ニート、生ぬるい風の中を、震えもせず下っていく。
あたし飼い犬だったらよかったわ。飼い主の思うままに、
言うこと聞いて、座っていれば、銅像にだってなれるから
ああ、大人たちの群れ、よろよろと、向こう岸へ、流れていく。
帰る田舎がないと思い込むのも、それはそれで仕方ないことだ。
ニート、戦わない君の歌を、戦う人たちが笑うだろう。
ニート、生ぬるい風の中を、震えもせず下っていく。
ニート、戦わない君の歌を、戦う人たちが笑うだろう。
ニート、生ぬるい風の中を、震えもせず下っていく。
ニート、生ぬるい風の中を、震えもせず下っていく。
ニート?