2010年12月21日火曜日
どこから来てどこへ行くのか
きのうニュースで家系図を書くソフトを取り扱っていた。自分のルーツを知りたい、どこから来たのか知りたい、そういう気持ちは広くあるのだろう。
ゴーギャンの絵のタイトルにそんなようなのがあって、師匠が何かの学会の講演の枕に使っていた。しかし、講演内容が思い出せない。師匠はよい弟子を持つことが出来ないという世の中の真理か。
自分自身としては、どこから来たのかということはもう手遅れで、無理して知ってとんででもないルーツだとそれも微妙なので、あまり家系図を追っかけようという気にはなれない。しかし、どこへ行くかというのは現実の問題としてある。
むかし、ダブルベッドという映画があって、キャストは大谷直子と石田えり、柄本明と岸辺一徳、監督は藤田敏八だったかな。ラストシーンでバイクに乗った男女が交わす会話。
「どこへ行く?」
「今から決めるわ」
どこへ行くか聞かないうちに、バイクは走り出す。空を戦闘機が横切っていく。そんなラストシーン。なぜか鮮明な記憶としてある。1回見たきりの映画で全然違うシーンかもしれないが。
行き着く先がわかっていないというのはとても不安だが、わかっているのもなんだかつまらない。ただ最終的に行き着く先は、死ぬということで、それに例外はない。もちろんで死んでからどうなるかという問題は残る。
だから、どこへ行くかという問題は、死ぬまでの問題と、死んでからの問題で、死ぬこと自体を避けた質問だ。この質問をそういうふうに位置づけて、改めて考えてみる。
まず、死ぬまでにどこへ行くのか。そして死んでからどこへ行くのか。
医者になるとか、へき地医療をやるとか、教育専門の医者になるとか、開業するとか。あちこち行くんだな。決めないうちに走り出して、道なりに走るというのはとてもいい生き方だったと思う。
死んでからのことはまあいいか。
行き先よりも、たぶんプロセスが大事、そういうことだ。ゴーギャンの絵をもう一度見てみたい。
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2 件のコメント:
「どこへ行く?」
「今から決めるわ」
そんな人生を、67歳のこれから始めようかと…。
南総の寅次郎拝
▽いくつになっても、旅に出る理由がある/映画「カールじいさんの空飛ぶ家」、シニアにこそ見せたい/中高生ぐらいの家族と一緒に、ぜひ!
2010年02月12日(金)
http://wandara.net/blog/blog.php?key=26756
コメントありがとうございます。勇気づけられます
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