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2011年5月15日日曜日

かぜ薬の副作用

 
開業医としての仕事がもうすぐ始まる。

ワクチンの副作用に対する厳しさに比べて、かぜ薬の副作用に対する寛容さというのは理解しがたいものがある。

あってもなくてもいい解熱薬、せきどめ、鼻水どめ。
私が医者になったころには、小児でもポンタールなどの非ステロイド系鎮痛薬がガンガン使われていた。さすがにそういう状況ではなくなったが、ポンタールなどをやめるなら、いっそのことその他もやめてしまえばと思う。その場の症状を抑える以外にほとんど効果がないことがすでに明らかになっている中で、これほどかぜ薬が使われるのはなぜか。

アセトアミノフェンだって、肝障害の頻度は案外高いし、喘息のリスクを増すという研究結果もある。

抗菌薬などを追加すればアナフィラキシーなどの重篤なものを含め、その副作用の危険はさらに増加する。ただこちらは細菌感染を治癒させるという効果はある中での害なので、最近感染とウィルス感染を明確に区別できない中では、困難な面があるのは確かだが。
ただワクチンの効果と害のバランスからすれば、かぜ様の症状に対する抗菌薬と害のバランスというのは、極めて微妙なものだ。効果についての明確なエビデンスがあるというインフルエンザの薬だって、ワクチンの効果と害のバランスに比べれば、どうということはない効果しかない。

こういうアンバランスの背景にあるものは何か。そこが重要だ。

延々矛盾の中でやってきた医療行為、病院ではある意味そういう医療も病院の看板を背負えばできないこともなかった。それを開業医としてどう乗り越えていくか。
熱やせきや、下痢などの患者さんに、「重大な疾患が除外されれば、ほうっておけばいいのですよ。何も薬はいりません。」というような対応が通じるとは思えない。でも、そういうことを地道にやっていきたい。
 

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