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2009年12月17日木曜日

ケースバイケース

個別の医療の提供のためにはケースバイケースの対応が求められる。確かにそうだ。医療を争論的に語るときに、個別の対応が重要である、そういう部分ではいつも容易に意見の一致が得られる。しかし実際個別の患者ではなかなかそうはいかない。ケースバイケースというのは対応する側が個別の状況で勝手に決めるということであったりするからだ。


ケースバイケース、便利な言葉だけど、だいたいはインチキに使われる。こちらのただ一つに理屈が、相手の状況によって使われるだけ。これは本当はケースバイケースと言わない。ケースバイケースとは、すべてをチャラにして考えることができるかどうかということ。様々な思考のチャンネルを対応するこちら側で持てるかどうか。一つのケースとは、そのケースの全体を指してケースという。当たり前だけど。全体に対応してこそケースバイケースである。ケースのうちこちらが対応可能な一部だけを取り出して対応する、これはケースバイケースではない。対応する側が最大限の守備範囲を持って対応する、これがケースバイケースである。

あらゆる選択肢を提示することができるかどうか。これがケースバイケースである。そのためにはあらゆる選択肢をとった場合のそれぞれに対応できるようにしなくてはならない。これを医師一人でやろうとするとうまくいかないし、実際無理である。だからチーム医療が必要になる。家族全体を対象にしたアプローチが求められる。地域を視点としたアプローチが求められる。なるべく多くの人が関わる中で決めて、多くの人の支援を元に対応する、こうなって初めてケースバイケースである。大変なことだ。

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