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2011年3月1日火曜日

どこまで負けられるか

 
ちょうど野茂英雄についての新書を読んだ。
プロ野球を引退したものたちを集めた文庫を読んだ。そこでもやはり一番は野茂の話だった。

「勝つことが重要なんじゃない。逃げずに勝負することが重要なんだ」

そうだ、そのとおりだ。どこまで負けられるか挑戦してみたい。
Win-Winの関係というのは、勝ったほうが、打ち負かした相手に、おまえも勝っている、いいバッティングしたじゃないかと、WInを強要するようなものではないか。重要なのは勝ち負けじゃないんだ、そんな慰めは、むしろ不要なのだ。
そんな慰めよりは、Lose‐Winで結構だ。

野茂英雄についての新書を読むとともに、深沢七郎をたまたま平行して読んでいたのだけど、それが野茂英雄につながった。

「負ければ、ざまあみろだ」、と深沢七郎が言った。そうだ、その通りだ。

深沢七郎ならこういうのだろうか。
「引退なら、ざまあみろだ」
野茂どう答えるのだろうか
「よくこの負け続けるさまを見て欲しい」、野茂はそういいながら投げ続けることを選んだのではないか。
野茂の挑戦はどこまで負けられるか、そういう挑戦だったように思う。
引退の二文字がちらついてもなお、どこまで負けられるか。

野球選手は負け続けたときに引退しなくてはならないが、医者は負け続けるなかでこそ、仕事がある。

人は全員死ぬ、そういう意味で医者は常に負け戦だ。
負け戦の中で、負け続ける中で、何かをなす、そういう仕事が自分に出来るだろうか。
 
どこまで負け続けられるか、挑戦することにする。
 

 

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