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2011年3月17日木曜日

ただちに影響のあるものではない

 
原発についての記者会見。たびたび出てくるフレーズだ。

「ただちに影響のあるものではない」と聞いて琴線に触れるものがある。
多くの人は、「今後影響が出てくることを隠ぺいしている」という点で気になるのではないかと思う。

もちろんそこも重要な点ではある。しかし、また別のところが、何かこれまでの仕事と重なって、自分自身のここあそこに触れるのだ。

タバコだって、酒だって、同じだ。
高血圧だって、高コレステロールだって、糖尿病だって、すべて同じ。

実際自分自身、昨日も患者にこういったばかりだ。

「今血圧が180だからといって、すぐにどうこうというわけではありませんから」
「今の調子はどうですか。案外調子がいいのではないですか」

将来も生き続ける、ということ。
今、生きている、ということ。

死をなるべく先送りして長生きしようと生きること。
いつでも死ぬ準備をして生きること。

どちらも尊いけれど、現代は、少し「生き続けること」、「長生きすること」に振れ過ぎている、と思う。

そういう今、「ただちに影響のあるものではない」というのは、「今を生きる」というようなあり方を示しているようにも思える。

今を生きているのは被災者で、明日のことばかり心配しているのは、実は自分の方ではないだろうか。
 
 

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