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2011年10月24日月曜日

恋する原発

 
「恋する原発」、高橋源一郎著

原発を作ったのは原発ではない。当たり前だけど。
私を作ったのは私ではない。当たり前だけど。

全文引用したいところだが、著作権に触れるのでやめる。

反対に小説には直接描かれていないことばかり書いてみる。

なぜか中島みゆきの古い歌を思い出す。
「誰のせいでもない雨が」

どんなことだってどこまでも人のせいにできる。
そこで「誰のせいでもない雨が」だ。

誰のせいでもないと、自分で受け止めるということが可能かどうか。
そうやって人のせいにせず、自分で受け止めてきたものたちというのは、世の中から忌み嫌われたり、避けられたりしてきたものたちだ。

何かの賞をもらったりすると、「皆さんのおかげで」なんていう。よいことを誰かのせいにするなんてのは案外簡単。

難しいのはその反対。
原発が恋するというようなことであれば、原発は何を受け止めるのか。何を引き受けなければならないのか。

私が私から逃げずにどう生きればよいのか。
それを問い続けたい。

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