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2011年6月26日日曜日

マロウンは死ぬ

「マロウンは死ぬ」という小説を思い出した。寝たきり老人の小説。違うか。
高校時代の友人から、お前にぴったりの本だといわれて読んだ。
正確には覚えていないけど、主人公がつぶやく以下のような一節。

「かつては、道は全く見えていないのに、たどりつく先は分かっていた。それが今じゃどうだ。道ははっきり見えているのに、どこへ行くのかはさっぱり分からない」

読んだ当時、友人が言うには、前者はボクシングで、後者はプロレスだと。そして当然のように、われわれはボクシング派なのであった。

今から思えば、確かにそうだ。当時プロレスよりはボクシングだった。しかし、今はとてもボクシングだとはいえない。プロレスでもないんだけど。まあどうでもいいというかなんというか。でも、それはとても好ましいことのように思える。

見えないふりをするのは簡単だし、本当はたどりつく先なんてのは分かっている。その通り。ただ、死ぬなんてことを考えたこともないから。そんなのが何かかっこいいように思うのだ。

だから、道ははっきりと見えていると言おう。死ぬということ以外はさっぱり分からない、それでいいじゃないか。

でもそれがいいのだ。とりあえずそこにある見えている道を歩こう。道じゃないように思えるかもしれないけど、それが道なのだ。どこへ行くかは分からないけど、どこかへは行くのだ。そして、その先は例外なくみんな同じだ。

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