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2011年2月13日日曜日

医者は不足しているか

 
医学部の定員増が行われ、最近では医学部新設が取り上げられるなど、医師が不足している、そういう方向だ。

医者は足りないよりは多い方がいいと思うが、医療の需要をあおる構造ばかりが先走る中での医師不足という認識が、欠けているのではないかという気がする。

医者が不足しているというのに、これほどにもCTやMRIが普及するというのはどういうことか。糖尿病や高血圧の基準がどんどん厳しくなるのはなぜか。健診をどんどん進めるのはなぜか。インフルエンザを疑ったら早目の受診をすすめるのはなぜか。

病院の外来ですら、かなりの部分の患者は、何の検査も、何の治療も必要なく、家で寝てれば良かったりする。そもそも病院に来ないという選択肢がじゅうぶんありえる患者である。しかし、病院に来た以上、この病気を見逃してはということもあるし、病院の経営を考慮したりすれば、こちらもついつい検査をしたり、薬を処方したりする。そのために、膨大な人手と膨大な時間が費やされる。

それで医師不足というのはどうにも本末転倒だ。
現状のまま医者だけ増やしても、医師不足は解決しないだろう。業界が食っていくため、医者自身が食っていくために需要を増やし続けるだろうから。
 
 

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