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2011年2月18日金曜日

エビデンスが普及しないわけ

 
エビデンスが普及しないのはなぜか。
一説にはかなり普及したという意見があるが、むしろ偏ったエビデンスが普及したというのが実情ではないかと思う。

ひとつには臨床上の問題が明確にならないから。
ひとつにはエビデンスの収集ができないから。
ひとつにはエビデンスを批判的に読み込めないから。
ひとつにはエビデンスと目の前の患者のギャップに気がつかないから。
ひとつには自分自身の医療行為を評価反省しないから。

そして最大の問題は、多くの医師が医療を変えようとは思っていないから。
さらに変えようと思っている人もエビデンスと関係なく変えようと思っているから。

たとえばかぜ。
家で寝てればいいのである。
ただ自分ではかぜかどうかわからないから一度は医者かかる必要があるかもしれない。
しかし、かかるとしても寝てればいいかどうか確かめに来ればいいのである。

しかし、そういう方向へは行かない。エビデンスは明確にもかかわらず。
かぜは医療機関にかかるのが重要。
症状を軽くするための薬が重要。
変化を求めるとしたら、かぜを診断する検査か。
そんなのいらないような気がするのだけど。

エビデンスを軸にかぜは家でゆっくり休もう、そういうふうに変えたいのだが、なかなか変わらない。

こういう僕は病気なのだろうか。
 

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